【2026/06/25・夕刊】本日の仮想通貨市場総括|全面安の中、国内ステーブルコイン元年が幕開け——SBI「JPYSC」始動とEF予算4割削減が問いかける構造転換

2026年6月25日、仮想通貨市場は主要銘柄がそろって約2〜3%下落する静かな調整局面を迎えた。BTCは終値ベースで985万3,631円(前日比−2.56%)、ETHは26万1,707円(前日比−2.53%)、XRPは173.54円(前日比−2.97%)、SOLは1万992円(前日比−2.05%)とほぼ横並びで値を崩した。特定材料による急落ではなく、週末を控えたポジション整理と米マクロ環境の重さが複合した「じわり下げ」が本日の最大の特徴だ。一方でニュースの質は高く、国内初の信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」始動、イーサリアム財団(EF)の予算40%削減とガバナンス大転換、そしてトランプ大統領によるCBDC禁止条項を含む法案署名中止と、価格以上に構造を揺さぶる出来事が重なった一日だった。本稿ではこれら材料を深掘りし、明日以降の市場への含意を読み解く。
チャート提供: TradingView / 詳細チャート: Investing.com ・ Google Finance
本日のマーケット総括
本日のBTCは推定始値約1,011万円から終値985万3,631円へと下落し、日中高値は1,008万円付近、安値は980万円台前半を記録した。下落幅は約25万円、変動率は−2.56%とパニック売りとは言えないが、1,000万円の大台を割り込んで引けた点は心理的に重い。ETHも同様に27万円台から26万1,707円へ押し戻され、BTC・ETHの変動率が2.5%前後でほぼ同期した動きは、銘柄固有の材料より市場全体のリスクオフが主因であることを示している。BTC優位性(ドミナンス)は57%前後で横ばいを維持しており、アルトへの明確な資金ローテーションはまだ起きていない。ファンディングレートは主要取引所でほぼゼロ近辺まで低下しており、先週末にかけて積み上がっていたロングポジションの整理が一巡した可能性が高い。類似局面として想起されるのは2025年2月中旬、BTCが100万円台から90万円台前半へ滑り込んだ「高値圏でのノイズ調整」期だ。当時も大台を割り込んだ直後に押し目買いが入り反発した経緯があり、今回も1,000万円ラインの攻防が焦点となる。
本日の主要トピック振り返り
国内初・信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」始動——何が新しいのか
SBIグループとStartale Groupが6月24日に発行開始した「JPYSC」は、資金決済法上の「第3号電子決済手段」として国内初の認定を受けた信託型円建てステーブルコイン。初日だけでイーサリアム上に100億円分が発行されたことが確認された。従来の前払式や為替取引型と異なり、信託財産として裏付け資産が分別管理される点が法的安全性の核心で、企業間決済・DeFi連携への応用余地が大きい。市場への直接的な価格インパクトは限定的だったが、円建てオンチェーン流動性の拡大はETH需要の下支え要因になりうる。「だから何?」——国内の制度インフラが本格的に整ったことで、企業がトークン決済を採用する障壁が下がり、中長期でETHベースのDeFiエコシステムへの円資金流入が加速するシナリオが現実味を帯びた。(出典:あたらしい経済)
EF予算40%削減・人員20%カット——イーサリアムは「財団依存」を脱却できるか
ヴィタリック・ブテリン氏が自ら発表したイーサリアム財団(EF)の2026年予算約40%削減は、単なるコスト圧縮ではなくガバナンスの哲学的転換を意味する。EFは今後、自己運用収益で活動を賄う「基金モデル(エンダウメント型)」へ移行し、外部依存から脱却する方向性を明示した。20%の人員削減は組織のスリム化と意思決定の高速化を促す一方、短期的には開発力の低下懸念としてETH価格に若干のネガティブ圧力をかけた可能性がある。しかし過去の類似例——2020年のビットコインコア開発チームの資金調達モデル転換——では、自立性向上が中長期的にはプロトコルへの信頼強化につながった。「だから何?」——EFが「非営利補助金組織」から「持続可能な運用体」へ転換することで、イーサリアムの長期ガバナンスリスクが低減し、機関投資家の評価軸がポジティブに変わりうる。(出典:CoinPost)
トランプ大統領、CBDC禁止条項含む法案署名を中止——何を意味するか
米上下両院を通過していた「21世紀の住宅への道法案」にはCBDC発行禁止条項が盛り込まれていたが、トランプ大統領はTruth Socialで署名中止を表明した。表向きは住宅政策上の異論とされるが、デジタルドル論議への影響は無視できない。署名中止によりCBDC禁止が法制化されなかったことは、FedのデジタルドルRandD継続の余地を残す。仮想通貨市場への影響はやや複雑で、CBDC禁止が法制化されれば「民間暗号資産の相対的優位」として好材料となりうるため、署名中止はその期待剥落とも読める。一方で米ドルステーブルコイン(SBIが同日「RLUSD」取扱い開始)のニーズが高まるという代替シナリオも成立する。「だから何?」——米国のデジタル通貨政策の方向性が再び不透明になったことで、規制感応度の高いXRPなどはしばらく方向感を欠く展開が続く可能性がある。(出典:CoinDesk Japan)
Zenithが国債トークン化WGに参画——1.6兆ドル市場のオンチェーン化が動き出す
Canton主要バリデーターのZenithがProgmat主催DCCワーキンググループに参画し、三メガバンクやブラックロック・ジャパンとともに約1.6兆ドルの国債レポ市場でトークン化国債を用いたオンチェーン・レポ取引を共同検討する。この規模感はDeFiの現在のTVL(Total Value Locked)全体を大きく上回るものだ。実装が進めば、機関資金がオンチェーンインフラに本格流入する歴史的転換点となりうる。今日の価格に直接影響はなかったが、Zenith参画によるカントンネットワークへの注目度上昇、そしてProgmatとの連携深化はSBIグループのブロックチェーン戦略の一貫性を高め、国内規制環境への信頼醸成に寄与する。(出典:CoinPost)
マクロ経済との連動性
本日の仮想通貨全面安は、マクロ環境の重力に素直に引っ張られた形だ。米国では6月FOMC議事録の内容を受け、FRBの「より長く高金利維持(Higher for Longer)」姿勢が改めて意識されており、S&P500・ナスダック共に週初から小幅軟調推移が続いている。ドル円は157円台後半で高止まりし、円安が一服する気配も見えない。ゴールドは2,380ドル付近で底堅く推移しており、リスクオフ時の典型的な「株安・クリプト安・金高」の構図が本日も確認された。日銀の追加利上げ観測は引き続き後退しており、円安バイアスが続く限りBTCの円建て価格は実力以上に高く見えるため、国内投資家は為替影響を除いたドル建て価格の動向を注視すべき局面だ。
明日への注目ポイント
6月26日(金)は米国で5月PCEデフレーター(個人消費支出物価指数)の発表が予定されており、FRBが最重視するインフレ指標だけに結果次第でBTC・ナスダック双方のボラティリティが拡大する可能性が高い。コンセンサス予想はコアPCEが前年比+2.6%前後とされており、上振れすれば利下げ期待の後退→クリプト続落、下振れ・一致であれば買い戻しのきっかけになりうる。価格帯では、BTCの980万円が当面のサポートとして機能するか注目される。割り込むと次のサポートは950万円前後。短期トレーダーは980万円割れを損切り目安に、中長期保有者は950〜970万円帯への押し込みを買い増しの好機と捉える戦略が考えられる。また、JPYSC・RLUSD始動に伴うETHの実需動向や、EF予算削減を受けたコミュニティ反応にも引き続き注目したい。
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