【2026/07/31】本日のビットコイン・仮想通貨ニュースまとめ|クラリティ法案採決要求・ストラテジー1.3兆円損失・FATF DeFi報告書

2026年7月31日(木)、主要仮想通貨は全面小幅安の展開となった。ビットコイン(BTC)は前日比−0.57%の1,038万1,231円、イーサリアム(ETH)は−0.97%の30万8,200円、ソラナ(SOL)は−0.43%の1万1,956円、リップル(XRP)は−0.79%の173.65円と、いずれも1%未満の下落に留まっており、パニック的な売りではなく方向感を模索するレンジ圧縮の様相だ。米国では仮想通貨市場の命運を握るクラリティ法案をめぐり、上院・財務長官・SECが三つ巴の攻防を繰り広げ、規制の先行きへの不透明感が相場の重石となっている。本日の注目は①クラリティ法案の最新動向、②ストラテジーが計上した82.2億ドルの巨額損失、③FATFによるDeFi規制報告書の3本柱だ。
チャート提供: TradingView / 詳細チャート: Investing.com ・ Google Finance
①米クラリティ法案、採決要求と「SEC独自ルール策定」宣言で緊張高まる
米上院の両党議員が、クラリティ法(CLARITY Act)の倫理条項に関する新たな妥協案をホワイトハウスへ送付したと報じられた。ベッセント財務長官は議会に対して即座の採決を求め、SEC議長は「法案が成立しない場合、SECが独自の規則を策定する」と明言した。JPモルガンは法案の停滞が市場に逆風をもたらすと分析しており、与野党間の調整が長引くほど機関投資家の資金流入ペースが鈍化するリスクがある。 クラリティ法は、デジタル資産をSECとCFTCのどちらが監督するかを明確化する法律で、業界が長年求めてきた「ルールの明確化」を実現するものだ。類似の規制議論が紛糾した2023年3月のFTX破綻後の混乱期と比較すると、今回は両党議員が妥協案を模索している点でより前向きな段階にあるとみられる。しかしSECが独自ルールに動けば、行政訴訟リスクが高まり市場の不確実性が再拡大する公算が大きい。短期トレーダーは法案関連ヘッドラインに注意、中長期保有者は法案成立を「規制の正常化」への重要な節目として位置付けるべきだろう。 (出典:CoinPost)
②ストラテジー、Q2に82.2億ドルの純損失計上——保有84万3,775BTCは揺るがず
ビットコイン最大の法人保有者であるストラテジー(旧MicroStrategy)が、2026年第2四半期決算においてビットコインの公正価値変動(時価評価)に伴う82.2億ドル(約1兆3,000億円)の純損失を計上したと発表した。これは米国の会計基準(ASC 820)が適用されたことで、BTCの価格下落局面では帳簿上の損失として即座に計上される仕組みによるものだ。保有量は84万3,775BTCと、引き続き増加トレンドを維持している。 重要なのは「損失計上=BTC売却」ではない点だ。ストラテジーは時価評価損失が出ても売却していないことを明示しており、むしろ市場下落局面での追加取得姿勢を崩していない。過去の類似局面——2022年の急落時にも同社は一株も売却しなかった——と照らし合わせると、同社のBTC保有戦略は短期的な会計数値に左右されないことが分かる。一方で、初心者投資家が「1.3兆円の損失」という数字だけを見てパニック売りに走ることは避けたい。会計上の評価損と実際のキャッシュアウトは全く別物であることを理解しておくことが重要だ。 (出典:CoinPost)
③FATF、DeFi規制報告書を公表——「非中央集権」は免罪符にならない
国際的なマネーロンダリング対策の枠組みを担う金融活動作業部会(FATF)が、分散型金融(DeFi)に関する最新報告書を公表した。報告書は「プロトコルが技術的に非中央集権であるかどうかにかかわらず、実態として管理・影響力を持つ主体が存在すれば規制対象とする」という方針を明示し、マネーロンダリング(AML)やテロ資金供与(CFT)リスクへの低減策を提示した。 この方針は、「DAOだから規制対象外」「スマートコントラクトが自律動作しているから誰も責任者ではない」という従来のDeFiプロジェクトの免責論理を正面から否定するものだ。特に開発者・ガバナンストークン保有者・流動性提供者への適用範囲が焦点となる。2021年以降、FATFはVASP(仮想資産サービスプロバイダー)規制を各国へ推奨してきたが、DeFi特有の課題には踏み込めていなかった。今回の報告書はその空白を埋める方向性を打ち出したものとみられ、DeFiプロトコルの開発者・事業者は早期にコンプライアンス体制の整備を検討する必要が生じる可能性が高い。 (出典:あたらしい経済)
④日立、デジタルアセット向けAMLモニタリングを10月提供開始——国内制度整備が加速
日立製作所が、金融機関など17社との実証実験で実用性を確認した上で、2026年10月から暗号資産・ステーブルコイン・NFT取引を対象とするAML(マネーロンダリング対策)モニタリングサービスの提供を開始すると発表した。FATFのDeFi報告書と時を同じくして、国内大手がコンプライアンスインフラの商用化に踏み切ったことは注目に値する。暗号資産取引所や金融機関がAMLコストを外部サービスで効率化できる環境が整いつつあり、制度対応を理由に参入を躊躇っていた大手金融機関の市場参入を後押しする可能性がある。中長期的には、機関投資家の裾野拡大につながる基盤整備として評価できる動きだ。 (出典:CoinPost)
本日のマーケット全体観
本日の市場はBTC・ETH・SOL・XRP揃って小幅安という「静かな調整」の色が強い。ボラティリティが圧縮されており、2024年後半から2025年初頭にかけての強気相場後の持ち合い局面に近い状態とみられる。BTCドミナンス(市場占有率)は概ね55〜58%台を維持しているとみられ、アルトコインへの資金分散はまだ限定的だ。マクロ環境では、米FOMCの次回会合に向けた金利据え置き観測が強まる中、ドル円相場の動向がBTC円建て価格に影響を与えやすい局面が続いている。米株(S&P500・ナスダック)が高水準を維持している一方で、仮想通貨市場がアンダーパフォームしている背景には規制リスクが意識されているとみられ、クラリティ法案の行方が最大の触媒となり得る。
明日以降の注目ポイント
短期トレーダー視点:クラリティ法案の採決スケジュールに関する報道が最大の相場材料となる。法案成立サインが出れば急騰の可能性があり、SEC独自ルール策定へ傾けば売り圧力が強まる展開も想定される。BTCが1,000万円を明確に割り込むかどうかも目先の分岐点だ。
中長期保有者視点:8月はFOMC議事録公表(予定)や米雇用統計など重要マクロ指標が続く。規制整備と機関投資家の参入インフラ整備は着実に進んでおり、ストラテジーの保有継続姿勢も中長期的な強気シナリオを支える。押し目を分散して積み上げる戦略が有効な局面とみられる。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を勧誘・推奨するものではありません。仮想通貨への投資は価格変動リスク・流動性リスク等を伴います。投資判断はご自身の責任において行ってください。