【2026/07/29・夕刊】本日の仮想通貨市場総括|XRPが約3%高で牽引、セキュリティ懸念とリアル活用が交錯する一日

2026年7月29日(火)の仮想通貨市場は、主要4通貨が揃って上昇する底堅い展開で幕を閉じた。ビットコイン(BTC)は前日比+1.59%の約1,057万1,494円で終値を形成し、イーサリアム(ETH)は+1.93%の約31万3,905円と相対的に強い動きを見せた。なかでも本日の主役はXRPで、前日比+2.91%と主要銘柄の中で最大の上昇率を記録。一方、市場の話題を攫ったのは価格動向だけではない。2026年上半期のハッキング被害が史上最多を更新したとの衝撃的なレポートが公表される一方、エミレーツ航空の暗号資産決済導入や欧州金融機関によるブロックチェーン連合の始動など、実需・制度化の流れも加速する"二極化"の一日となった。本稿では市況数値の整理から主要トピックの背景分析、マクロとの連動性、そして明日への注目点まで総括する。
チャート提供: TradingView / 詳細チャート: Investing.com ・ Google Finance
本日のマーケット総括
本日の主要通貨パフォーマンスは以下の通り。BTC:終値約1,057万1,494円(前日比+1.59%)、ETH:終値約31万3,905円(同+1.93%)、XRP:終値約177.95円(同+2.91%)、SOL:終値約12,110.96円(同+0.88%)。SOLがやや出遅れた一方、XRPとETHが相対的に強く、BTC優位性(ドミナンス)は若干低下傾向にあり、中小型アルトに資金が分散しつつある兆候が見られる。ファンディングレートはBTC・ETH共に小幅のプラス圏(推定0.01〜0.02%水準)で推移しており、過熱感は限定的。出来高は平均水準に近く、方向感を決定づけるトリガーを模索する"様子見相場"の色合いが強かった。類似局面として想起されるのは2025年2月〜3月の段階的回復期で、当時もBTCが漸進的に上値を切り上げつつXRP・ETHが先行する構図が見られた。現水準でBTCが1,060万円台を明確に上抜けられるかが、次の上昇波動の分岐点となる。
本日の主要トピック振り返り
🔴 2026年上半期ハッキング被害が史上最多212件・約11億ドル——北朝鮮系が被害額の55%を占有
オンチェーンセキュリティ企業Blockaidが公表したレポートは、業界に重い警鐘を鳴らした。2026年上半期のハッキング件数は史上最多の212件、被害総額は約11億ドルに達した。被害の55%は北朝鮮系ハッカー集団「ラザルス」等に帰属するとされ、さらにAIエージェントを狙う新手法の台頭も確認された。この事実が示す本質的な意味は、Web3インフラの拡大と攻撃の巧妙化がほぼ同速で進行しているという構造問題だ。機関投資家によるカストディ需要や保険商品の整備が急がれる背景にもなっており、規制当局がセキュリティ基準を強化する根拠としても今後引用されうる。市場への短期的な価格インパクトは限定的だったが、中長期的にはプロトコル保険・セキュリティ系トークンへの注目を高めるニュースとして位置づけられる。(出典:CoinPost)
🏛️ SECが仮想通貨規則案を独自検討——立法停滞の中、行政ルール形成が加速
米SEC企業金融局が、仮想通貨の募集・売出しに関する独自の規則制定を検討していることが明らかになった。クラリティー法(FIT21後継)の上院審議が停滞する中、SECとCFTCの共同プロジェクトの一環として法整備の空白を行政ルールで埋める戦略だ。過去の類似例として、2019〜2020年にかけてSECが「フレームワーク」や「ノーアクションレター」を独自発行し、市場がその解釈に一喜一憂した時期が挙げられる。今回の動きも同様に、規則内容の詳細次第で特定トークンの証券認定リスクが高まる可能性があり、特にDeFiやICO的構造を持つプロジェクトには注視が必要だ。だから何?——立法より行政規則は可決が早い反面、政権交代等で覆りやすく、不確実性が長引く点は市場参加者が共有すべきリスク要因である。(出典:CoinPost)
✈️ エミレーツ航空が暗号資産決済を本格導入——大手航空会社による「使える通貨」時代の到来
エミレーツ航空が7月28日、公式サイトおよびアプリでCrypto.com Payを通じた暗号資産決済の受け入れを開始した。対象はUAE居住者で、航空券購入に仮想通貨を直接利用できる。大手航空会社による実務的な導入事例としてはこれが先進的なケースとなり、特にUAEという暗号資産規制が整備された地域での展開は今後の他国展開のモデルケースにもなりうる。過去にマイクロストラテジーやテスラのBTC採用が「保有」の象徴だったとすれば、今回の事例は「支払い手段としての定着」を示す象徴的な出来事だ。決済需要の増大はネットワーク利用率を押し上げ、中長期的なトークン価値の下支えにつながる。XRPの本日の堅調な動きと合わせ、決済ユースケースへの期待が相場を後押しした側面もある。(出典:CoinDesk Japan)
🏦 欧州10金融機関が「RL1」始動・Visaもステーブルコイン拡充——金融インフラのトークン化が本格化
ABN AMROを含む欧州の金融機関10社が、規制対象のトークン化資産市場向け共同運営型ブロックチェーン「RL1」を始動させた。同日、VisaもステーブルコインベースのB2B決済インフラ拡充を発表しており、金融インフラのブロックチェーン移行が一斉に加速する動きが顕在化した。RL1はパーミッション型であり、既存の金融規制の枠内で動くことで「規制との摩擦ゼロ」を志向する設計だ。これはパブリックチェーンとの競合という視点よりも、「相互運用性(インターオペラビリティ)」の文脈で語られるべきであり、将来的にETHやCosmos系プロトコルとのブリッジが実現すれば、パブリックチェーンの価値を高める可能性もある。(出典:CoinDesk Japan)
🇯🇵 gumiとSBIが「SBI Crypto Fund Ⅰ」8月1日始動——大和証券G参画で国内機関マネーが本格流入
gC Labs(gumi子会社)とSBIファイナンシャルサービシーズが共同運営する仮想通貨ファンド「SBI Crypto Fund Ⅰ」が8月1日に正式始動する。大和証券グループ本社も出資参加し、ファンド規模は約30億円の見込み。国内では2025年以降、暗号資産ETFや信託スキームの整備が進む中、証券会社系資本が運用ファンドに直接参画する事例は今後の増加が見込まれる。規模としては国際的には小規模だが、日本国内の機関マネー流入の試金石として象徴的意義は大きい。税制や開示ルールの整備と並行して、国内市場のプロ化が着実に進んでいることを示している。(出典:CoinPost)
マクロ経済との連動性
本日の仮想通貨市場の底堅さは、米国株市場の安定と連動している部分が大きい。7月29日時点でS&P500は高値圏を維持し、ナスダックもテクノロジー株主導で堅調推移が続いており、リスクオン環境が継続。ドル円は足元で154〜155円台で推移しており、円安基調が円建てBTC価格の水準維持に寄与している側面もある。ゴールドが引き続き高値圏にあることは「インフレヘッジ需要」の底流を示しており、BTCへの長期的な資金流入を支援する構図は変わっていない。FRBは現時点で利下げ観測が後退気味で、9月FOMCに向けた経済指標の解釈が市場全体の方向性に影響する。日銀の政策修正動向も円建て資産全般のボラティリティ要因として引き続き注意が必要だ。
明日への注目ポイント
7月30日(水)は、米国の主要経済指標としてADP雇用統計およびPCEデフレーター(個人消費支出物価指数)の発表が予定されており、インフレ動向の確認材料として市場の注目度が高い。数値が予想を上振れた場合はドル高・リスクオフ圧力が加わりやすく、BTC・ETHともに短期的な売り圧力に注意が必要だ。短期トレーダー視点では、BTCの1,060万円台定着を確認できるかが当面の焦点で、割り込んだ場合は1,030万円前後のサポート帯への調整シナリオも視野に入れたい。中長期保有者視点では、SBI Crypto Fund Ⅰ始動(8/1)や欧州RL1の展開加速など機関・制度化の流れは揺らぎなく、押し目を積み増し機会と捉える姿勢が有効だろう。ETHのレジスタンス帯は32万〜33万円、突破すれば次の節目は35万円圏が意識される。
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