【2026/07/28】BTCが約1,044万円台へ続落―クラリティー法案審議入り・サークルIBM特許取得など本日の仮想通貨ニュースまとめ

2026年7月28日(月)、主要仮想通貨は週明けも下げ圧力に晒されている。ビットコイン(BTC)は前日比-2.26%の約1,044万7,696円(≒約6万7,700ドル前後)まで値を落とし、イーサリアム(ETH)は-2.98%の30万9,768円、ソラナ(SOL)は-3.04%の1万2,154円、リップル(XRP)は主要通貨の中で最大の下落率となる-4.10%の174.39円を記録した。米国株が金利高止まり懸念を背景に軟調に推移する中、リスク資産全般に売りが波及した格好だ。一方でニュースフローは豊富で、米上院でのクラリティー法案審議入りの動向、サークルによるIBMブロックチェーン特許の大量取得、サムスンウォレットのステーブルコイン対応など、業界の構造変化を示す重要ニュースが相次いだ。本日の記事ではこれら5本を深掘りする。
チャート提供: TradingView / 詳細チャート: Investing.com ・ Google Finance
① 米上院共和党、クラリティー法案の本会議入りを今週中に推進へ
米上院共和党が今週、仮想通貨市場構造法案「クラリティー法案(CLARITY Act)」を本会議審議に持ち込む動きを加速させている(CoinPost報道)。最大のハードルは本会議採決に必要な60票の確保で、現時点では超党派の支持取り付けが課題となっている。さらにニューヨーク州司法長官が議会に対して規制強化を求める証言を提出しており、法案成立へ向けた政治的な攻防が激化している。クラリティー法案はBTCやETHをはじめとするデジタル資産を「コモディティ」か「証券」かに分類し、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の管轄範囲を明確化することを目的とする。過去を振り返れば、2023年下半期にも市場構造法案が議会を通過できず相場が軟化した局面があった。今回も60票未達のまま審議が滞れば、規制不透明感が短期的な売り圧力につながるリスクがある。一方、法案が成立に向けて前進するシナリオでは、機関投資家の参入障壁低下という中長期的な追い風が期待される。短期トレーダーは今週の採決動向を注視し、中長期保有者は法案の骨子(管轄区分の詳細)を精査しておくことが賢明だろう。
② サークル、IBMのブロックチェーン特許約1,000件を取得―米最大の特許保有企業へ
USDCを発行するステーブルコイン大手サークル(Circle)が、IBMのブロックチェーン特許ポートフォリオを取得したと発表した(CoinPost報道)。取得規模は680件超の特許ファミリー(合計約1,000件)に上り、これによりサークルは米国内でブロックチェーン特許を最多保有する企業となった。IBMは2019年前後にブロックチェーン事業を積極展開していたが、近年は同分野の商業展開を縮小しており、今回の売却はその延長線上にある。サークルにとっては、USDC決済インフラやスマートコントラクト周辺技術における特許防衛力を劇的に高める動きだ。IPOを控えるとも報じられているサークルにとって、特許ポートフォリオの充実はバリュエーション上のプラス要素となり得る。同社が今後、特許ライセンス収入や他社との差別化に活用する戦略を取れば、ステーブルコイン市場の競争地図が塗り替わる可能性もある。既存のETHやSOL保有者にとっても、決済レイヤーの知財競争が活発化することはエコシステム全体の底上げにつながるとみられる。
③ ファナティクス、BGCから予測市場向け取引所・清算機関を取得
米スポーツ用品大手ファナティクス(Fanatics)が、英金融サービスグループBGCグループから予測市場向けの取引所および清算機関を取得する契約を締結した(CoinPost報道)。両社は市場データ分野でも提携し、個人投資家と機関投資家をつなぐ予測市場基盤の構築を目指す。米国では2024年の大統領選を機にPolymarketなど予測市場プラットフォームへの関心が急拡大しており、TradFi(伝統金融)企業の参入が相次いでいる。ファナティクスはNFTやスポーツベッティング領域でも積極投資を続けており、今回の動きはWeb3・デジタル資産との接点を強化する戦略の一環だ。清算機関の取得は単なる取引所運営にとどまらず、証拠金管理や決済フローをコントロールできる点で、参入障壁の高い「インフラ支配」を意味する。仮想通貨業界にとっては、大資本の参入が流動性と信頼性の向上につながる一方、規制当局の目が向きやすくなるという二面性もある。
④ サムスンウォレット、ステーブルコイン対応へ―主要スマホブランドで先駆け
韓国・サムスン電子が、Galaxyシリーズ搭載の「Samsung Wallet(サムスンウォレット)」でステーブルコインに対応すると発表した(あたらしい経済報道)。決済・リワード・デジタル資産を統合した金融基盤として機能拡張を図るもので、主要スマートフォンブランドとして業界に先駆けてのステーブルコイン統合となる見通しだ。サムスンは世界スマートフォン市場のシェア首位(2025年度出荷台数ベース)を誇り、Galaxyシリーズのユーザー基盤は全世界で数億規模に上る。これだけの規模のデバイスにステーブルコイン機能が組み込まれれば、日常決済での仮想通貨利用という「マス採用」に向けた現実的なルートが開かれることになる。USDCを含むステーブルコインの流通量拡大はETHやSolanaなどのL1チェーンにとってもオンチェーン取引量増加を通じたプラス材料だ。短期的には価格への直接的な影響は限定的だが、中長期保有者にとってはエコシステム採用の進展を示す重要なシグナルと捉えられる。
⑤ ビットマイン、先週9,946ETHを追加購入―保有目標の96%に到達
米ナスダック上場企業ビットマイン(Bitmine)が先週、9,946ETHを新規購入したと発表した(CoinPost報道)。同社の保有総額は約1.9兆円相当に達し、掲げる「総資産の5%をETHで保有する」目標に対して達成度は96%まで到達した。マイクロストラテジーのBTC大量購入戦略に倣う「ETH版トレジャリー戦略」の代表格として注目を集める同社だが、先週末にかけてETHが下落する中でのナンピン的な買い増しは、機関投資家レベルでのETHへの強気シナリオを示している。ETHは現在30万9,768円と前日比約3%安と振るわないが、過去にMicroStrategyがBTCを積み上げた時期と同様、大口機関の継続購入が中期的な下値サポートとして機能するとみる向きもある。初心者投資家は短期の値動きに一喜一憂するよりも、こうした機関の行動パターンを需給面のシグナルとして参考にする視点が有益だろう。
本日のマーケット全体観
本日のマーケットは全面安の様相を呈しており、BTCの下落率-2.26%に対してXRPの-4.10%など、アルトコインの下げ幅がBTCを上回る典型的なリスクオフ局面となっている。BTC優位性(ドミナンス)は相対的に底堅く推移しているとみられ、資金がアルトから逃避しBTCに集約される動きが見て取れる。マクロ面では、米連邦準備制度(Fed)による高金利継続観測が根強く、ドル高・米株軟調という環境がリスク資産全体の重荷となっている。次回FOMC(9月予定)に向けた経済指標の動向が引き続き相場の方向性を左右する主要因だ。2024年秋の利下げ局面前後と異なり、現在は利下げ転換の見通しが立ちにくい状況にあり、過去の類似局面では仮想通貨市場が数週間にわたり横ばいから軟調な推移をたどった経緯がある。
明日以降の注目ポイント
短期トレーダー視点では、米上院でのクラリティー法案採決動向が最大の材料となる。60票確保の可否が今週中に明確になる可能性があり、可決・否決いずれの結果も相場に瞬間的な値動きをもたらすとみられる。BTCが1,000万円の節目を維持できるかも短期の焦点だ。中長期保有者視点では、7月末から8月にかけて発表される米PCEデフレーター(Fed重視の物価指標)や雇用統計が利下げ見通しを左右する鍵となる。サムスンウォレットのステーブルコイン対応の具体的なロードマップや、サークルの特許活用戦略の続報にも注目したい。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の仮想通貨・金融商品への投資を推奨・勧誘するものではありません。仮想通貨への投資は価格変動リスクを伴い、元本割れの可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。